まちこのerotica


真千子からのメールを読んだ俺の心臓は、バクッ!と大きな音を立てた。

危うく止まりそうになった。


真千子を怒らせてしまうとはっ……

考えもしなかった。

あの詩は、真千子という女に対しての最大の賛辞のつもりだったから。


俺は普通の女と付き合ったことがないから、女というものがよくわからない。どこが地雷なのか。


[え?何?怒るところ?どこが悪いの?]


俺が慌てて送ったメールに、真千子からの返信は来なかった。いくら待っても。

昼を過ぎた頃、俺はカローラのキーを持ち出し、真千子の元へ向かうことにした。
どうしても、真千子に逢い、誤解を解きたかった。いてもたってもいられなかった。


高波と一緒にいることは分かっていたけれど、映画『卒業』みたく真千子をお姫様抱っこして、連れ出してやらなけば、救い出してやらなければ……!


「俺の愛が、今の真千子には一番、必要なんだ…」


そうつぶやいて、ハンドルを握る。
行き先は真千子が昨夜、無邪気に教えてくれたから分かってる。

ロッジの詳しい所在地まではわからないけれど、そういうところでは自炊するのが基本だから、地元のスーパーで張り込みしていれば、真千子と高波は必ず姿を現すはずだ。


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