まちこのerotica
私は身長159cm、体重50kg。決して軽い方じゃない。
男にしては小柄な優男の高波さんには、きっとキツかっただろう。
腕がプルプルしてるのが分かる。
今にも落っことされそうで、怖かった。
でも……
良かれと思ってやってくれてるのだから、「下ろして」なんて言えない。
「うわあん、ロマンティック……」
私は無理矢理に笑顔を作り、高波さんにしがみつく。
…スカートの裾がうまく、高波さんの腕に挟み込まれずに、ダラリと下がって、パンツの尻が丸見えになってるな、多分。
お姫様だっこなのに、超ハレンチな格好だ。シンデレラや白雪姫は、絶対こうはならないだろう。
バァン!
高波さんが片足でドアを蹴り、隣のベッドルームに私を運ぶ。
夕方3時ごろ、このロッジに到着してすぐ、はしゃぎながら部屋点検を始めた私に高波さんは言った。
ベッドルームのドアを指差しながら。
『あ。真千子。そこはまだ開けるなよ。夕飯の後のお楽しみだから』と。
お楽しみってなんだろう…?
もしかして、プレゼント?
コーチのバッグかな?
でも、付き合って半年、高波さんは食事代は必ず払ってくれるけど、贈り物をしてくれたのは、私の誕生日に安っぽい下着をくれたくらいだ。
それ以外は、一切ない!