まちこのerotica
今から10分ほど前。
バニーガールになって現れた私を見るなり、高波さんは立ち上がり子供みたいに大喜びした。パチパチ拍手なんかしちゃって。
そして、儀式が始まった。
壁に設えた紫の大の字に、私を貼り付けにしたのだ。
こんなプレイをしたのは初めて。
高波さんは今まで見たことがないくらい生き生きと目を輝かせた。
「真千子、ここにはな、こんな装置があるんだ。だから、このロッジにしたんだ。軽井沢なんかよりこっちの方が俺たち向きだ!
動かないで、じっとしてろよ!」
唾を飛ばんばかりの勢いで叫ぶように言ったあと、部屋の隅にあった赤いボタンを押した。
ぎゅいいいん……と音がして、大の字がゆっくりと上昇を始めた。
思いがけないことに私は「うわあっ」と色気のない悲鳴を上げてしまった。
ベッドと同じくらいの高さに上がったところで、装置は停止した。
足を置く場所も一緒に動いたから、宙づりということはないけれど、それでもかなり不安定だ。
深紅のペディキュアを塗った素足が心もとない。結構、手首のチェーンが頼りだったりする。
「あ〜ん、何これ、イヤだあ…コワイよ…」
身を捩り、カチャカチャとチェーンを鳴らしているうちに、少しずつビスチェの胸元がズレてきた。