まちこのerotica


高波さんは、葉巻の煙を燻らせながら
厳かに言った。


「真千子に俺以外の男がいるのは、薄々気付いていたけど、まさか俺の部下だとはね。

なあ、長谷部君。

こんなこと誰かに告げ口なんかするなよ。真千子だって大変なことになるんだ。それよりか俺に名案がある。
こういうのはどうだ?」


高波さんの妙に落ち着いた語り口に、ハセは普通に「なんすか?」と尋ねた。仕事の話みたいに。


高波さんは、ふっと含み笑いをし、葉巻を一口また吸った。ちょっともったいぶってる。


「真千子を独り占めしようなんて考えはお互いの為にならない。真千子は若くて素直でピチピチで、最高に感度がいい。若い頃、散々遊んだ俺が断言する。こんなに素晴らしい女は他にはいない!

こうなったら、俺とお前で真千子を共有しようじゃないか」


「…は?」


鳩が豆鉄砲食らったような目で高波さんを見るハセ。


「共有…?」


「あ、いや。俺は妻子持ちだから。
6:4でいい。俺が4だ。つまり、お前が筆頭株主。一番の権利がある。俺は二番手だ」


「筆頭株主…」


ハセは呆然とした表情のまま、私の方へゆっくりと歩み寄る。






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