私の愛した未来
制服に着替えて下に降りると
未来もすでに制服姿で料理をしていた。
「もーすぐ出来るから、座っとけ。」
「うん…」
美味しそうな匂いが私の心を踊らせる。
なんだか不思議な感覚。
一緒に朝ごはんを食べるなんて…。
まるで…新婚夫婦みたいじゃない?
「なに、ニヤニヤしてんの。」
「え゛?」
ニヤニヤしてたかな…
まぁ、確かによからぬ妄想はしてたけど…。
顔に出ちゃってたなんて…。
危ない危ない。
気をつけなきゃ。
「まぁ、どーせ意味わからないことでも考えてたんだろうけど。」
「はっ?!い、意味わからないことって何よ…!」
「ん?別に。ってか、早く食え。遅れるだろ。」
そう言って出されたプレートには、どこかのホテルの朝食のようなキラキラしたメニュー。
「ぉ、美味しそう…」
「美味しそう、じゃなくて、美味いから。」
「ぅ…」
「食わないなら俺が食べるぞ。」
「い、いや、食べるっ!み、未来は自分の食べて! い、いただきます!!」
未来に取られないように
急いで手を合わせて 料理に手を伸ばす。
ふわふわのオムレツに、カリカリのベーコン。
トロっとろのフレンチトーストは私の好きな甘さ。
フルーツがたっぷりのヨーグルト。
どれも私の好物。
「…未来、一人暮らしなのに…いっぱい食材あるね…。」
「ん。まぁなー。育ち盛りだから?」
そんなことを言って笑う未来。
あっという間に2人で朝ごはんを食べ終えて
2人で未来の家を出る。