私の愛した未来
教室に入ると早速 山内先生が柴崎くんを改めて紹介し始める。
「えー、みんなも知ってると思うけど、柴崎は芸能界で働いてる。なかなか学校に来れないと思うが…仲良くな!」
…。
気のせいかな?
さっきから柴崎くんの視線が私に向いてるような…。
やたら目が合うよーな…。
「えーっと、柴崎の席は…あぁ、風戸!風戸の横な!」
「えっ、」
そう言われると柴崎くんはスタスタと私の横に近づく。
そして手を出される。
「…えっ??」
「春子。」
「えっ、えっ???」
柴崎くんが、私の名前を呼んだことによってクラスがざわつく。
「あっ、あの…なんで名前知ってるの…?」
「…春子…覚えてないの?」
柴崎くんは私の顔を覗き込む。
「えっ…」
どこかで会ったっけ…?
「春子?俺だよ、未来。……佐藤未来。」
佐藤未来…??
「えっ???み、未来…???」
思い出した…。
なんで分からなかったんだろう…
「み、未来…なんで…」
「思い出したか…忘れてるとは思わなかったけど…。」
「ご、ごめん…」
私の発言によりさらにざわつく教室。