私の愛した未来
秋
みんなの王子様
嵐のように過ぎていった夏季セミナーもあっという間に終わり…
部活で忙しかった夏休みも終わって…
気付いたら後期が始まっている…。
こんなに早かったけ?
去年までは何となくダラっと夏休みが過ぎていったけど…
今年はすごい速さで過ぎていった気がする…。
「何ボーッとしてんだよ。帰るぞ。」
「はっ!えっ、え??」
「なんつー声だしてんだよ、もうとっくにホームルーム終わったぞ?」
そう言って私の顔を覗き込むのは
眉をひそめる未来。
「あっ、もうそんな時間?ぶ、部活行かなきゃ…」
「はあ?今日は部活ないんじゃないのか?グラウンド、使えないんだろ。」
「あっ、そ、そーだった…」
「ボーッとしすぎ。帰るぞー。」
「う、うん。」
ボーッとしすぎ、かぁ…。
最近、ふとした瞬間に気付いたら未来のことを考えてる自分がいる。
と、いうか、考えすぎて頭がいっぱいになっている。
スプリングchildのことも、未来のことも…知りすぎておかしいくらいなんだけど…
そんな私にも
わからないことだってある。
それは…
なんで未来の名前が
柴崎なのか。
私の…私の知ってる未来は…
佐藤未来
なはずなんだけどなぁ…。