私の愛した未来
「お、おい、風戸は…柴崎と知り合いなのか?」
先生が不思議そうに尋ねる。
「ぁ…えっと…」
「幼なじみです。」
私の代わりに発言したのは未来だった。
「えっ、ちょっ、春子?未来くんと幼なじみなのにスプリングchildのこと知らなかったの?」
里奈があり得ないと言いたげに攻めよる。
「ぅ…ご、ごめん…」
「こんなイケメンと幼なじみなのに忘れてるなんて!!春子…あんたって子は…」
だって…
もう何年も会ってないし…。
あの時もかっこよかったけど…
こんな大人っぽくなるとは思ってないし…。
名字も変わってたし…
もう何年も会ってないし。
「まぁ、春子が思い出してくれて良かった。これからよろしくな。」
「う、うん…。」
私の心拍数は異常に跳ね上がってる。
目の前にいるのは本物の未来。
あの頃からずっと私の記憶は止まっていたけど
ずっと忘れたことなんてなかった。
あの笑顔を。
あの歌声を。
大好きな未来を。
ずっと忘れられなかったんだ。