私の愛した未来


昔の記憶がフラッシュバックして
目を開くと真っ白な天井が見える。


…。


ここ、どこ?


体を起こすと横には私の手を握って眠っている未来の姿…。


ふと、冷静になって辺りを見回すと

ここは保健室のベッドの上。


未来はイスに座って疲れたように寝ている。


未だ繋がれたままの手を見つめて思わず赤くなる。


眠っている未来の顔を見ると
目の横に小さなホクロがあった。


「…やっぱり…未来なんだ…」


そう呟くと


ムクッと未来が目を覚ました。


「…ん…は…はるこ…??」

「あっ、う、うん。」


目をこすりながら私の視線を捉える未来。

「起きたか…」

「あっ、あの…」

私には未だにこの状況が理解できてない…。

「…春子、お前ぶっ倒れたんだぞ。」

「えっ、」

「えっ…じゃねーよ、俺のこと思い出したと思ったら急に倒れるから。急いで保健室連れてきた。」

うそ…
私…
倒れたの…??


「…驚かせてごめんな。」

「いや…その…」

「変わってないな、その感じ。」

「へ?」

「何となく言葉足らずなとこ。」

言葉足らず…。
そんな風に思われてたなんて…。

「体調は?大丈夫ならもう帰るぞ。」

「え?じゅ、授業は??」

「はぁ?お前何時間寝たと思ってんだよ…今は午後4時半だぞ?」

「えっ…も、もうそんな時間??!」

「今日は初日で3時までの授業なんだろ?だから帰るぞ!」

握られていた手をアッサリ離して荷物をまとめ出す未来。


ベッドから降りると
私のバッグを差し出される。


「ん。お前の友達が持ってきてくれた。」

「ぁ…ありがと…。」

きっと里奈だろう…。

後でお礼言わなきゃ…。


「帰るぞー。」

「あっ、待って…」


保健室から出ようとした所に擁護の先生に会う。

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