私の愛した未来


「わ、私のこと??」

「そ。」

「例えば…?」

未来は少し考えて私の目を見る。


「…じゃあ、俺の質問に答えて?」

「うん…。」

「おじさんとおばさんは元気?」

「元気だよ…毎日忙しそうにしてる。」

「春子は…元気?」

「元気だよ?友達もいるし。」

「春子は桜丘中学に行ったの?」

「うん。」

1つずつ質問に答えていくと
未来は急に歩くスピードを落とした。


「…未来?」

「春子は…彼氏はできた?」

「えっ…」

なんでそんな事聞くんだろう…。
もちろん今まで彼氏なんかいたことなかったけど
大好きな人から言われると胸が痛い。


「い、いないよ…。」

「告白はされた?」

「ぅ…それは…されたけど…でもっ、」

「断ったんだ…。」

「うん。」

「何で?」

「な、何でって言われても…ってかそれより!私にも未来のこと教えてよ!」


深く探られるのがイヤで話をそらしてみる。

「俺の何を知りたい?」

何…って…

聞きたいことはたくさんあるよ…。


何で引っ越したのか、どうして芸能界に入ったのか
何で今ここにいるのか

どうして私に何も教えてくれなかったのか…。


「春子…?」

「み、未来は!どうして…帰ってきたの…?」

「…帰ってきちゃダメだったか?」

意外な発言に首を思いっきり横にふる。


「ダメじゃない…ダメじゃないよ!未来が…帰って来てくれて…嬉しいよ」

素直に言うと未来は少し驚いた様子で私を見つめる。

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