私の愛した未来
なんだかんだあったけど
夕飯を済ませて未来は帰ることになった。
玄関で未来を見送る私。
「なぁ、春子。」
「ん?」
「メアド、あと番号教えて。」
「あっ、うん!いいよっ」
そう言ってポケットから携帯を取り出す。
偶然にも未来と私の携帯は同じ機種だった。
「あっ!未来と携帯同じ!」
「だな。…ってか、テンション高くね?」
「そぉ?」
そんなことないと思うけどな…
「まぁ、いいや。」
お互い携帯をかざしあって
私の電話帳に未来のデータが入り込む。
「…じゃ、おやすみ。」
「お、おやすみ!気をつけてね!」
「…隣だから…平気だろ。」
「そ、それもそーだね…」
「やっぱお前はどこか抜けてるんだな。」
え?
そう言うと未来は扉を開けて帰ってしまった。
抜けてるって何よ…。
まぁ…里奈にも言われたけど…。
自分の手に持つ携帯に映る 未来 の文字を見て自然とにやけてしまう。
「ンーフフフフーン♪」
…今の私はすこぶる機嫌がいいようだ。