私の愛した未来
お風呂に入ってから
2階の部屋に上がると携帯が光っていた。
開くと
それは未来からだった。
『明日、朝7時に家の前で。遅れんなよ。』
…。素っ気ないメール。
それでも初めて受け取った私はドキドキが止まらない。
仮にも彼は芸能人であり、好きな人。
私がメールをもらえるのは奇跡に近い。
嬉しくって顔がにやける。
未来のことを考えてたら顔が熱くなってきた…。
ちょっとクールダウンしよ。
部屋につくベランダに出る。
目の前には未来の部屋のベランダがある。
昔はよく、夜遅くまでここから話してたっけ…。
それで次の日2人とも起きれなくて幼稚園に遅れてた…。
そんな風に懐かしく思い出していたら
未来の部屋の窓が開いてそこから未来がでてきた。
「っ!春子…?」
「…あ、どーも…ちょっと涼みに…」
「ふーん。…懐かしいな。」
「えっ??」
「小さい頃はよくここで話してたよな。」
あ…
未来も覚えてるんだ…。
「懐かしいよね。」
「それでお前は起きれなくて幼稚園に遅れてた。」
「そ、それは未来もじゃん!!」
「そーだったか?」
「…思い出を都合よく書き換えないでよ!」
「ウソだよ、覚えてるわ。」
「っ…もぉ!…それで夜ふかしバレて怒られたよね…。」
「そーだな…。」
怒られた思い出を話すと未来は少し顔を歪めた。
「み、未来??」
「……。もう戻るわ、お前も早く寝ろよ?…ってか、メールくらい返せアホ。」
「えっ、ちょっ、ちょっと!」
あっという間に部屋に入ってしまう未来。
丁度、冷たい風が吹いたから
私も部屋に戻ってベッドにダイブする。
…そーいえば…メールきたことが嬉しくて返信してなかった…。
『どこか抜けてるんだな』
未来の言葉が脳裏に浮かぶ…。
「ぬ、抜けてないもん!」
思わず声に出して
『遅れないよーだ!おやすみ!』
とだけ返信して
眠った。