私の愛した未来
「春子ーーー?!朝よーーー!」
…。お母さんの声…?
ふと、目を覚まして時計を見ると6:40の文字。
「や、やばっ!!あと20分しかないじゃん!」
慌ててベッドから飛び起き
制服に身を包む。
階段を駆け下りて身だしなみをチェックする。
「春子ー、朝ごはんは?」
「えっ、あっ…食べるけど…時間ないぃ!」
「ほら、とりあえずサンドイッチ作ったから学校で食べなさい。」
お母さんに差し出されたサンドイッチを持って
家を飛び出す。
「いってきます!」
ドアを開けると
目の前に携帯をいじりながら壁にもたれかかってる未来の姿。
「おっ…おはよぅ…」
思い切って話しかけると明らかに呆れた顔をしてる…。
「お前なぁ…あれほど遅れるなって言ったのに…10分も待たせんなよ!」
「ご、ごめ…ね、寝坊して…」
「昨日ベランダで涼んでる場合か!」
「だからごめんってばぁ!」
「時間くらい守れ。」
「ぅ…。」
何も言えません…。
「昔から春子は…約束するといつもこうだよな。」
「…に、人間そんな簡単には変われない…ということで…」
「…変わる変わらないじゃなくて、少しは成長しろ。」
…またまた最もなことを…。
「ほら。」
「え?」
いきなり未来に渡されたのはエネルギーゼリー。
「どーせ朝飯食べてないんだろ?朝練もたないから食っとけ。」
「で、でも…サンドイッチあるし…」
「朝練後に食べるつもりだろ?春子は何か食べないと昔から集中出来ないタイプだと思うけど?」
…図星だ…。
「いいから黙ってもらっとけ。んで、さっさと食べながらでいいから行くぞ。」
「は、はい!」
まるで…未来には全てお見通しだったのかと思うほど準備がいい…。
これも…昔から変わらないか。