私の愛した未来

修学旅行




ホームルームで決まった班は
私と里奈と未来と拓真くんの4人。


「春ちゃん…あのさぁー自由時間、俺と里奈を2人っきりにしてほしいなぁ…」

「うるさい、拓真。春子、無視してていいからね?」

「え、里奈ぁ…2人っきりになりたくねぇの?」

「うるさい。」


…。
いっつもこんな感じなんだよね…。


里奈はツンデレだし、何かと私に合わせてくれようとする。

そこで私が譲って結局2人っきりにしてあげるのが定番。


「ぁ…あのさ…」

「2人でまわってきなよ。」

え?

私より言葉を早く発したのは未来だった。


「え、…柴崎…いいのか?」

「おう。」

「よっしゃーー!ってか、柴崎お前いいやつだな!もう、未来って呼ぶわ。」

「はぁ?なんでそーなんだよ…」

「うるせー、未来も俺のことは拓真って呼べよな!」


完全に拓真くんのテンションが上がってる。


「…春子…いいの?」

里奈が申し訳なさそうに言ってくる。

「いいの、って…当たり前じゃん。好きな人と一緒にいた方が楽しいでしょ?」

「春子……私は春子も大好きだから!!」

「里奈…」

「春子は俺といるから平気だよ。」

「えっ…?」

未来が声を発する。


「え、え、え?ま、まさか未来って春ちゃんとデキてんの??」

拓真くんの突拍子もないことに慌てる私。

「ち、ちがっ…」

「春子は、俺の幼なじみだよ。」


慌てる私とは逆に冷静な未来。

< 30 / 114 >

この作品をシェア

pagetop