私の愛した未来


「未来…??」

「…いや。ファンになったのはいいけど。ちなみに誰推し?」

え…
そんな…本人の前で未来のファンなんて…言っていいのかな…。


「いや…全員推し…かな?」

「……そこはウソでも俺って言っとけよ」

「え?!」

「いや…いいよ、忘れて。」

「未来?」


未来の顔が赤くなってる。

「未来…?」

「っ、だー!うるさい。早く歩け。遅れるぞ。」

う、うるさい??
何なのよー!

「…私は…昔から未来のファンだよ…?」


少し前を歩く未来の背中に声をかける。

未来の肩がピクッと反応する。


「お前…スプリングchildのこと知らなかったじゃねーか。」

「そ、そうだけど!昔から未来の歌は大好きだもん!」

「…春子…?」

「覚えてない?小さい頃、よく2人でアイドルごっこしてたでしょ?」

「…あぁ。」

「あの時から私は未来のファンだったでしょ?」

「あれは…ごっこだろ?」


未来に追いつくように早足で歩いて
横に並んでみる。

「…でも、ちゃんと私は未来のファンだよ」

そう言って未来を見つめると
未来はフッと微笑む。


「じゃあ、春子が俺のファン1号なんだな。」

「え?!…いいの?」

「いいの?って…今お前がずっと前からファンだったって言ったんだろ。 いいも何も事実なんだから。」


そう言ってまたスタスタと足を早める未来。


「ま、まってよ…」


追いかけながらも
ファン1号 の言葉を思い出してニヤける。

嬉しくてどうにかなっちゃいそう…。
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