私の愛した未来
「点呼とるぞー。」
いつものようなゆるーい感じで山内先生が声をかける。
残念なことに、この4人の中で班長を任された私は 報告 とやらを先生に言わなくてはいけない。
「…班員全員います。」
「おぉ、風戸班は全員よしっと…」
何やら名簿にチェックを入れていく先生。
「残念だったな風戸。」
「はい??」
「1週間大好きな数学に触れられなくて…。」
…。
この人…最低だ…。
「いえ、残念ではありません。とても喜ばしいことですけど…」
「…素直に言い過ぎだろ…。」
「沖縄で数学の話しないでください…」
「さぁ、それはどーかな?」
山内先生は意地悪だ。
点呼を終えるとバスにみんなが乗り込む。
3人の後ろからバスに乗ると里奈の横に私は座った。
「楽しみだね!」
里奈が満面の笑みで心を躍らせている。
「そうだね。」
「…それ、喜んでるよね?」
「とても。」
私の返事に満足そうに笑う里奈。
胸の高鳴りを抑えながら
私たちは沖縄へと向かった。