私の愛した未来
坂を登りきると校門があって
桜丘高校の生徒たちがゾロゾロと集まってくる。
「ちょっと、春子!私クラス表見てくる!」
「えっ…」
追いかける間もなく里奈は貼り出されているクラス表に一目散に駆けていく。
足早っ…
目で里奈を追いかけると
その表情に笑顔が浮かんでいる。
…きっと今年も同じなんだな…。
そう思うとまたまたすごい速さで里奈が駆け寄ってきた。
「ちょっと!春子ぉ!今年も一緒っ!」
「…でしょうね。」
「もぉー、テンション低いー!!」
「いや、これ超喜んでるから。」
「…それは分かってるけど…昔から変わらないね…初めて春子と話す人は感情なかなか読めないと思うよ?」
「…気をつけまーす。」
なんとなく昔から感情が顔に出にくい私…。
里奈はもう分かってくれてるけど…。
周りからはクールって思われてて…
「全然クールじゃないけどクールに見られるんだよねー?」
う…。
読まれてる…。
「ってか!春子!さっさと教室行くよ!」
「ぁ…は、はい…。」