私の愛した未来


「…いや、頭はよくないよ…」

そう言って苦笑いする林くん。

「そ、それより…林くんこそ…私の名前知ってたんだね…」


同じクラスになったこともないし
まして話すなんてこともしてないのに…

成績だって…

数学が足引っ張って、上位5人の貼り出されるメンバーからは外れてるし…。


「そりゃ、知ってるよ。風戸さん、可愛いから。」

…。

…。


「えっ?!!」


林くんの言葉を理解するのに随分時間がかかってしまった…。

「か、可愛くないよっ…」

「いや、かわいいよ?」

何事?

今さっき話したばっかりの人にかわいいと言われて…
しかも相手はいたって冷静で…。


「…あのっ…」

「ん。風戸さんの班のチェック終わったよ。」

「えっ…」

私が動揺している間に私の班のプリントが手渡される。


「あっ、ごめ…い、今チェックするね。」

「ゆっくりでいいよ。」

慌ててチェックするけど
動揺して内容がイマイチ入ってこない。

かわいい

なんて…言われることないから…

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