私の愛した未来


「み、未来、危ないよ…」

「うるさい。ったく…話の途中で逃げんな。」

「話…なんてないよ…」

「俺はあるの。」

真っ直ぐ見つめられる視線。
私の身体は熱くなる。

エレベーターの中で2人っきり。

2人っきりなんて慣れてるのに…。
今日はいつもよりドキドキが止まらない。


「明日。」

「あ、明日??」

「拓真たち、2人っきりにするんだろ。」

そうだった…。

「う、うん…」

「忘れてたな?」

「い、いや、忘れてない!」

「…まぁ、いいけど…で、お前は?どこ行きたい?」

「えっ??!」

突然の質問に驚いてしまう。


「どこ行きたいんだよ。」


未来と行けるならどこだっていい。
ちょっと デート っぽいし。

なんて…浮かれてたけど…。
なんか現実になりそうでにやけちゃう。


「早く決めないとどこも行かないぞ。」

「え、それはヤダ!」

「…だから早く決めろって…」


エレベーターはグングン上がって
私の部屋のある階についてしまった。


トビラが開いて
降りなきゃいけない。

はやく…行きたいところ…言わなきゃ…。


「あの…」

「ん?」

「す、水族館…行きたい…。」

私が思いついたのは
いかにもデートスポットってゆー場所。

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