私の愛した未来


「水族館…決まりな。」

「えっ、いいの?」

「は?自分で言ったんだろ、水族館がいいって…」

「そ、そーだけど…許可されると思ってなくて…」

「?なんで俺が許可しないと思ったんだ?」

「いや…」

「ま、いいけど。おやすみ。」

「えっ、あっ、おやすみ…」

そう言ってなかば強引にエレベーターを降ろされて、未来は上の階に上がっていった。


未来と2人で水族館…。
なんだかソワソワしてしまう。


火照りが冷めないまま部屋に戻る。

部屋には入念に顔にクリームを塗ってる里奈。


「おっ!おかえりぃーー!」

「ただいま。」

「んーー?春子、顔赤いよ?」

「えっ?!」

「…気のせいかな?サッサとお風呂入っちゃってー!お湯沸かしたの!」

「あっ、ありがと…」


里奈に見透かされそうで
急いでお風呂に駆け込む。


お風呂から出ると、
里奈はフェイスケアの仕上げに入っていた。

「里奈…なんか、気合い入ってない?」

「え。そ、そう??ま、まぁ…旅行だし?」

「……明日…楽しんできてね。」

「えっ…あの…春子…私、春子のこと大好きよ…」

「分かってるって!でも、拓真くんのことも大好きなんだよねー、里奈は。」

「う…」

「だから!ちゃんと楽しんできて!その潤いに満ちた顔で!」


そう言うと
里奈は私に抱きついて 顔を真っ赤にして笑った。
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