私の愛した未来


無事?に水族館に着いてチケット売り場に並ぶ。

他の学校も修学旅行シーズンなのか制服姿の人達が数多くいる。


列に並んで私達の番になる。

「何名様ですか?」

「高校生2人です。」

「はい、2名様ですね。合計2400円になります。」

私もゴソゴソと財布を出そうとすると
未来があっという間にお金を出してしまっている。

「あっ、未来!払うよっ。」

「いい。」

「いいって…言われても…」

未来はサッとチケットを受け取って
私を連れて列の外に出る。


「み、未来っ!お金っ…」

「いいって。」

「でも…」

「こーゆー時って男が払うものだろ?」

「えっ…」

こーゆー時…って…。
デート…??

まさか…未来もデートって思ってくれてるの??

「み、未来…あの…」

「ん?」

「ぁ、ありがと……。」

「ん。入るぞー。」

「うん!」


結局、払ってもらっちゃった…

水族館の中に入ると
大きな水槽にたくさんの魚が迎えてくれた。

「うわぁ…キレー…」

思わず声が漏れる。

「ね、ね!未来!綺麗だね!」

興奮して柄にもなく未来の腕を引っ張る私。

「はいはい、キレーだな。」

「…もぉ、興味ないでしょ?!」

「あるよ。ちゃんと見てる。キレーだよな。」

そう言って未来は私を見つめる。

「えっ…?」

「…いや。ほら、次行くぞ。」

「えっ、待ってよ…!」

なんだか変な未来。

その未来を追いかけて歩く。



ふと、冷静になると何となくだけど周りの目が私の方を向いているような気がする。


…?


「あれ…スプチャイの…」

「未来くんかな…?」


????

よくよく聞くと周りの人は未来のことを言っている。


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