私の愛した未来


「…春子…ちょっとタイム。ここで待ってて。」

突然未来から発せられた言葉に驚いてしまう。

「は、はい!」

「なんで敬語なんだよ、変な奴。」

「…みらっ…」

未来 と呼ぼうとした時、未来の手が私の口をスッと塞いだ。

「静かに…。すぐ戻る。」


そう言い残して私のそばから離れる未来。


周りの人の目は私と未来を交互に見ているようで落ち着かない。



少し待っていると携帯が震える。


開くと未来からのメールが届いていた。


『最初の大きい水槽のとこに来て。』


???
ここで待ってろって言ったのに…。


仕方なく私はさっきまでいた水槽の方へ戻る。



水槽のところで未来を探してみても なかなか未来の姿は見つからない。

どこだろ…。



探しながら辺りをキョロキョロしていると
後ろからポンっと肩を叩かれる。


「わっ、」

「俺だよ、俺。」

その声は未来だ。

「みら…っっ!!」

またもや未来の名前を呼ぼうとしたら 未来によって遮られる。

振り返ると未来はマスクをつけていた。

「春子、俺の名前、しばらく呼ばないで。」

「えっ??」

「バレると面倒。」

「えっ??ってか…メガネにマスクじゃ…曇っちゃうよ?」

「…変装だから仕方ない。お前もこれかぶっとけ。」

そう言って頭に乗せられたのは 未来のキャップ。


「あの…どーゆーこと…??」


そう聞くと ちょっと苦笑いをする未来。

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