私の愛した未来


「ん?」

顔だけ後ろを向けて尋ねる未来。


「…人混みは…やっぱり…危ないから、や、やめよう?」

「は?」

「そ、その、ご飯食べに行くのも…ファンに見つかったら…」


しばらく考えた後に
納得したように笑う未来。


「大丈夫だよ。」

「い、いや、ダメでしょ。」

「いいから。黙ってついてこい。」

「え?」


またもやスタスタと歩き出してしまう未来。


どーなってんのよ!
さっきは私にまで変装させたくせに!


未来の行動がよく分からない。


未来の後をついて行くと
未来は誰かに電話をかけ始めた。

「あー、もしもし?あぁ、着いてるよ。それは明日な。…ってか、今からそっち行くから、ソーキそば2つ。よろしく!」


そう言って電話を切る未来。



「未来…?」

「何?」

「今から行くところ…知り合いなの?」

「ん。まぁな…。」

「それに、明日何かあるの?」

「…。明日は…まぁ…。」


何やら考えるような顔をしてる。
明日は沖縄探索でグループ行動なのに。


「あ、明日のグループ行動、ごめん。俺はパス。」

「は??パスぅ??」

そんな選択肢あり???!


「仕事。」

「へ?」

「だから、仕事。」

「あ…なるほど…」


そーいえば沖縄で仕事あるって言ってたっけ…。


「ごめんな。」

「あっ、いや、仕事だから…」

「もうすぐだぞ。」


そう言われて
少し歩くと小料理屋さんに着いた。


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