私の愛した未来
いかにも沖縄っぽい南国の香りがして
シーサーなどの沖縄の装飾品が並んでる。
「あっ、未来っち、来たね!」
どこか聞きなれた声に
反応して顔をあげると…
そこにいたのは
あのスプリングchildのドラマー。
reiくんだった。
「rei、ソーキそばは?」
「あるよ、まぁ、そう急かさないでよ。」
この状況が全く読み込めない。
「な、な、な、なんで…?!」
私の驚いた声に2人が反応する。
「あーーっ!この子がウワサの幼なじみちゃん?そうでしょ?」
あの、天才ドラマーが私に駆け寄る。
ウワサ?
って何???!
「rei…落ち着けって。」
「落ち着いていられるわけないじゃん!スッゲー、可愛いね!」
子猫みたいな瞳で顔を見つめられる。
「ちょ、ちょ、ほ、ホンモノの…reiくん?」
私がやっとの思いで声を発したのは
まさかのホンモノ?発言…。
「っぷっ…未来っちの幼なじみちゃん面白いねー!そーだよ!僕はホンモノのreiだよ!」
「…ぁ…」
「ごめんな、春子。紹介する、こいつはメンバーのrei。本名は…」
未来が説明してくれる。
「保坂零くん…だよね?」
私が名前を言うと
reiくんは嬉しそうに笑う。
「そう、僕は零だよ。…春子ちゃん、だっけ?」
「そうです…」
「よろしくっ!」
そう言って手を差し出される。
私は
おずおずと手を握り握手した。
「ここは、僕の実家!小料理屋なんだよねー!」
reiくんがお店の中を見渡して説明してくれる。
実家…。
だから未来は変装しなくていい所選んだんだ…。
「驚いた?」
突然未来の声が聞こえる。
「えっ?」
「まさかメンバーの実家に行くとは思ってなかったろ?」
「ぅ、うん…」
「だから言ったろ?黙ってついて来いって。」
「…そ、そうね…」
ニヤリと笑みを浮かべて笑う未来。
reiくんは奥からどんぶりを2つ取り出して
私たちの前に置いた。
中にはあったかいソーキそば。
「召し上がれー!」
差し出すreiくんの笑顔。
未来に負けじと美形…。
可愛い笑顔、笑うと出来るエクボ。
ちょっと癖っ毛の髪の毛。
マジマジと顔を見ていると
「なになに?春子ちゃん、僕の顔に何かついてた?」
「あっ、い、いやっ…」
笑顔のreiくんに指摘される。
「春子、さっさと食べろ。」
「わ、分かってます!」
未来に促されて
いただきます
と呟いてソーキそばを口へと運ぶ。