私の愛した未来
よくよく考えて見れば未来は水着姿で…
上半身裸だし…。
近づかれて思わず赤くなる。
「んで?撮影見に来たのに、撮影に目もくれなかったってことは?なんかあったのか?」
「えっ…と…それは…」
「んん?」
未来を直視出来なくてうつむくと
覗き込むように下から未来が目を捉える。
「何かあったんだろ…?」
「…いや…」
「吐け。」
と、言われても…
別に危害を加えられたワケじゃないし…
「さっき佐藤マネに話しかけられてたやん?なんか言われたんか?」
「えっ!?」
祐介さんに図星なことを言われてドキりとしてしまう。
「…そーゆーことか。」
「えっ??な、に?」
「明里ちゃんもよくやるねぇ…」
「うんうん、佐藤マネはいつもそうやんなー。」
「あれはもう癖みたいなものだな。」
「未来、春子ちゃんたちを連れてくるべきじゃなかったかもしれんわ。」
「分かってるっつーの!だから俺は…」
「未来っち、そーゆーことだったんだ。」
???
口々にスプチャイのメンバーが何やら佐藤さんのことを話し出す。
「…春子。」
「は、はい!」
「…昨日、来るなって言ったのは…その…佐藤マネがいるから…だから。」
「えっ??」
どーゆーこと??
「…佐藤マネはいつも撮影に来る野次馬たちを追い払う役ってゆーか…すっげーイヤなこと言って追い払うらしいんだよな。」
「そうそう、まぁ、僕らは聞いたことはないんだけど、明里ちゃんの評判はあんまりファンからよくないんだよねー。」
「そ、そうなんですか…」
「だから…佐藤マネが何か言ったなら謝る。ごめんな。」
「えっ、いや…だ、大丈夫だよ!」
心配そうに4人に見つめられる。
実際、佐藤さんは私たちを追い払うようなことはしてなかったし…。
「松原も、拓真も…大丈夫か?」
「あ、あぁ。里奈は怒ってたけどな!」
笑いながら拓真くんは話す。
「っ、だって…なんか嫌だったんだもん!」
里奈は恥ずかしそうにしている。