私の愛した未来
「…だから…その…お前に来て欲しくなかったワケじゃないから。」
ぶっきらぼうに未来が発した言葉は、私のことを心配してる って言ってくれてるみたい。
「…ワガママ言って…ごめんね…?」
「…。まぁ、そーゆーことだから。あんまり佐藤マネの言葉は気にすんな!」
そういって未来が私の頭に手を伸ばした瞬間。
「ほーらー!撮影再開するわよーー!」
遠くから佐藤さんが大きな声で叫んだ。
「…っ、ごめっ…後でな。」
「ぅ、うん。頑張って。」
「おう。」
一度伸ばしかけた手を引っ込めて、
未来は佐藤さんの方へ向かう。
「みなさんも、頑張ってくださいね。」
そう私が他の3人に声をかけると
楽しそうに笑って未来の方へ駆けていく。
「…マネージャー…か…」
ホッとしたような、なんとも言えない感じが残る。
「…マネージャーにしては…くっつきすぎじゃない?」
「…里奈…でも…いいよ、マネージャーって必要だもん。」
「そう?…春子は優しいんだから。たまにはワガママになっていいと思うよ。」
「そうかなぁ…」