私の愛した未来
夏
スタートライアングル
初めて嫉妬という感情をもった
修学旅行も終わり、私たちの日常はいつも通りに戻っていく。
未来の仕事のない日は
毎朝一緒に登校して、私は朝練に励んでいる。
未来も、いつも同じようにグラウンドの横の芝生に座って
いつもと同じようにスケッチブックに何かをひたすら書いている。
私が何を書いているのか聞いても
教えてくれない。
と、いうより話をそらされてしまうのがおち。
そんな風にして
季節はすっかり夏になった。
受験生にとって、
夏を制するものは受験を制する なんて言われてるけど、
結局、長期休暇も勉強しろって先生たちが言いたいだけ。
でも、受験生は不安だから
勉強しろって言われなくてもしてるっていうのも事実。
そんな忙しい日常にある日
思いがけないことが起きている。
まさに今、その思いがけないことが起きてしまった…。