私の愛した未来


「あれ?今日先生早いね…」


驚いて私がそう言うと先生がニヤリと笑う。


「お前らー!早く席つけ!」


なぜか先生に促されて席に着く。


「今日は、朝の段階で話さないといけないことがあるからなー。」


そう言って先生がプリントを配り出す。


手元にきたプリントを見ると
そこには
夏季セミナー
の文字。


「もうすぐで夏休みだな!ってことで毎年恒例、夏季セミナーだ!」

楽しそうに話す先生。

とは対照にイヤがる生徒。


「今年はいつもとちょっと違う点があって、いつもはクラスごとにセミナーを受けてもらってたが、今回は先生達が勝手にグループ分けしたから!」


そう言ってもう一枚配られたプリントには
夏季セミナーグループ表
と記されている。


「全部でA〜Gクラスまで!名前の横に☆印がついてるやつは今日の放課後にある会議に出席すること!それとその人たちは今後も集まりがあるからなー。」


私は急いでプリントに目を通すと、
Bグループにあった自分の名前の横に☆印がついている。


…イヤだ…!
会議に出なきゃいけないなんて!!


「ちょっと、春子っ!」


後ろから里奈が声をかける。

「ん??」

「Bグループ!…大変だよ?」


「んん??」


もう1度プリントに目を落とすと

同じ班に未来も入っている。
さらに、未来も☆印付き。


未来がいるなら、いっか…


ほっと胸をなでおろす。


「未来もBグループってこと?」


「それもそーだけど!1番下!」


そう言われてBグループ表の1番下を見ると

林優也 の文字。


さらには☆印付き…。


< 76 / 114 >

この作品をシェア

pagetop