私の愛した未来
「とりあえず、林はクラスに戻れ。俺がいく。」
ぶっきらぼうに放った言葉は
俺が明らかに嫉妬してるような口調。
「お、おい!」
林の言葉を待たずに教室から出て階段を下る。
階段のそばには
言われた通り段ボールを床に置いて待っている春子がいた。
「あ、あれ?未来が来たの??」
なんだよ。
俺じゃ不満か!
「段ボールかせ!」
「ちょっ、未来?!林くんは?どうしたの?」
春子の口から 林 と聞くと更にイライラしてしまう。
「未来ってば!!怒ってる??」
「怒ってない。」
「うそ!怒ってるじゃん!…私何かした?」
必死に俺のあとを追う春子。
あぁ、もう。
嫉妬してる、なんてダセェこと言えるかっつーの。
「未来…!ごめんね??」
「…だから、怒ってないって。謝んな。」
階段を上りきり、教室に行くと
林が待っていた。
「風戸さん、ごめんね、柴崎が行くって言ったから…」
なんでこいつが謝るんだ?
「あっ、ううん、大丈夫。ちょっと未来が来てビックリしたけど」
春子…
お前は林に来て欲しかったのか?
なんて、聞けるわけもない。
「柴崎、お疲れ。今日はもう時間ないから、打ち合わせはまた後日。」
そう言って俺たちの教室を出る林。
去り際に
「またね、風戸さん」
なんて言って行きやがった…。
あいつ…もしや…。
いや、余計なことは考えるのはやめよう。