私の愛した未来


「あのぉ…未来…?」


「…やっぱりな…そんなことだろうと思ったよ。」


「え?」


「ここのところ、お前の林に対する態度見て怪しいとは思ったけどよ。」


「わ、分かってたんだ…」


「幼なじみなめんな。小さい頃から見てるんだっつーの。」


なんてことないのにキュンとする。
未来は私を見ていてくれてるんだ。

「で、でも…最近まで会ってなかったじゃん。」


あぁ、もう、私のバカ!
素直じゃないんだから…



「それは…そうだけど…。会えなくてもお前のことは分かるんだよ。」


「…幼なじみパワー?」


そう聞くと
未来は少し考えたように眉をひそめる。


「まぁ、そんなとこだ。」


「…さっき、助け舟だしてくれてありがと。」


「しつこかったからな。それに俺も早く飯を食いたい。」


「とか言って、助けてくれたんでしょ?」


「…はぁ?ジュース奢ってやろうと思ってたけど、ナシな。」


「ちょ、ちょっと待ってよ!分かった、分かった!私のためじゃない!」


そう言って未来を追いかけると
いつもの意地悪そうな未来の笑顔。


「嘘だよ。春子が困ってることくらい分かった。」


キュン…
突然素直になるところにドキドキする。


「幼なじみパワー最強だね。」


「…あぁ、そだな。」


そう言ってランチをする食堂に着くと
すでに里奈と拓真くんが待っていた。


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