私の愛した未来


「柴崎くん!来なさい。」

校長の声で呼ばれたのは1人の男の子。

その人が壇上に上がると
何やら生徒がざわつき始める。


んー??


「…じゃあ柴崎くん。一言。」


「えー、柴崎未来です。」


その名前を聞いた途端。
女子生徒が騒ぎ出す。

「きゃーーー!!ほんと?!あ、あ、あの未来くんー?」

未来くん?

「やばぁい!ホンモノだ!」


有名人?


「ちょっと!春子!見て!柴崎くん!」

里奈が興奮気味に私に話しかける。


「…え。里奈…知り合い?」

「……は?は、春子まさか…知らないの?」

「え、むしろ知ってるの?」

「はぁ…。」

た、ため息??

「柴崎未来。17歳にしてそのルックスと歌唱力で大人気の国民的グループのスプリングchildのボーカル!」

「…スプリングchild?」

「本当にうといなぁ…去年くらいから爆発的な人気よ? みんなはスプチャイとか呼んでるし。」

「…ほぉ…。そんな人がなんで…ここに…?」

「…転校してきたんでしょ!」

「へぇ…。」

それはスゴイ…。

「それは、驚いてるの?」

「う、うん…。」

確かに綺麗な顔してる。

黒縁メガネをかけて
チャらくないのに今どきで…。


でもなんだろ。
どこかで会ったような…


そんな気がする…。
< 9 / 114 >

この作品をシェア

pagetop