私の愛した未来
「柴崎くん!来なさい。」
校長の声で呼ばれたのは1人の男の子。
その人が壇上に上がると
何やら生徒がざわつき始める。
んー??
「…じゃあ柴崎くん。一言。」
「えー、柴崎未来です。」
その名前を聞いた途端。
女子生徒が騒ぎ出す。
「きゃーーー!!ほんと?!あ、あ、あの未来くんー?」
未来くん?
「やばぁい!ホンモノだ!」
有名人?
「ちょっと!春子!見て!柴崎くん!」
里奈が興奮気味に私に話しかける。
「…え。里奈…知り合い?」
「……は?は、春子まさか…知らないの?」
「え、むしろ知ってるの?」
「はぁ…。」
た、ため息??
「柴崎未来。17歳にしてそのルックスと歌唱力で大人気の国民的グループのスプリングchildのボーカル!」
「…スプリングchild?」
「本当にうといなぁ…去年くらいから爆発的な人気よ? みんなはスプチャイとか呼んでるし。」
「…ほぉ…。そんな人がなんで…ここに…?」
「…転校してきたんでしょ!」
「へぇ…。」
それはスゴイ…。
「それは、驚いてるの?」
「う、うん…。」
確かに綺麗な顔してる。
黒縁メガネをかけて
チャらくないのに今どきで…。
でもなんだろ。
どこかで会ったような…
そんな気がする…。