私の愛した未来


午後の授業のために
教室へ入る。


林くんの席の隣に行こうとすると
未来が割って入ってきた。


「…み、未来?」


「お前、こっち座って受けろ。」


「は??」


「春子は左利きだから真ん中にいると俺が書きにくい。」


「あっ、それは…ごめん…」

なんだ、そーゆーことならもっと早く言ってくれれば良かったのに。


納得して
さっきまで未来がいた席に座る。


セミナーは長机に3人が並ぶ形だから誰かが真ん中になるのは仕方ない。


午後の授業は誰の手も当たることなく
スムーズに受けられた。


やっぱり、未来は気がきくなぁ。



1日がなんとか終わり、
みんな帰る支度をする。



「春子ちゃん、一緒に帰らない?」


そんな支度をしている私に話しかけたのは林くんだった。


「…あ、あのさ…林くん…ちょっといいかな?」


「ん?なに?」


「ちょっと話があるの…廊下に来てくれる?」


みんなの前で
ハッキリ物を言うのは気がひけるから
私は林くんを廊下に呼び出した。

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