私の愛した未来
「なに?春子ちゃん。」
ニコッと笑う林くん。
「…あのね…私、林くんのこと振った…よね??」
こんなこと言うのは非常識かもしれない。
それでも言わなきゃいけない。
「やだなー、春子ちゃん。その話は終わったじゃん。」
「…うん…で、でもね、」
「友達として春子ちゃんと仲良くしたいだけだよ?友達としてごはんも誘ったし、友達として一緒に帰ろうって思ったんだけどなぁ。」
…。
「友達と一緒に帰るのは出来ないこと?柴崎とは一緒に帰るのに?」
「えっ…??」
一瞬、林くんが林くんじゃないみたいに怖い顔になる。
「知ってるよ?一緒に帰ってるんでしょ?」
「…未来は…関係ない。」
「どうして?あいつは良くて、友達の俺はダメなんだ?」
「違う…そうじゃない…そうじゃなくて…」
突然、林くんに肩を掴まれる。
「っ、」
「何が違うの?」
耳元で囁かれる声は林くんのものとは思えないトーン。
怖い。
身体が固まる。
「わ、私が…林くんを振ったのは…す、好きな人がいるからだよ…?」
「そんなこと分かってる。どーせ、柴崎だろ?」
どーせって…
私は…未来のことすごく好きなのに。
「なんで突然出てきた幼なじみなんかに春子ちゃんを取られなきゃいけない?」
「え?」
「俺は…中学の頃からずっと、ずっと春子ちゃんを見てきたよ?」
中学の頃からずっと…??
林くんが?