その笑顔反則につき。
見渡すかぎり緑。
とうとう登山の日です。
バスに揺られること30分。
すでに気分ブルーですがいつぞやの6人で頑張ってきます!
てか、高校は部活入ってないから体力的に大丈夫なんだろうか…
「思ってたよりなだらかですね」
なんだかるんるん気分の佳奈美ちゃん。
足の動きが軽やかだ。
「だな!速くてっぺんつかねぇかな!!」
「はい!」
桃田くんも通常運行のようだ。
佳奈美ちゃんもつかな体力。
私の見立てだと文化部系だからな。
「あっつい」
「水分とってる?ちゃんととらないとダメだぞ」
「わかってるし」
何かと今日は世緒が世話を焼いてくる。
嬉しいけどさぁ。
こどもじゃないし。
複雑。
「涼香〜つかれたぁ」
私より少し後ろを歩いていた真里。
まぁ、始まってからぶっ続けで登ってきたからね。
そろそろ休憩入ってもいいかも。
「だな。おーい久良、蘇我ぁ!休憩いれるぞぉ!!」
「わかったぁ!」
絵馬くんが私達より少し前を歩いていた桃田くんと佳奈美ちゃんを呼んだ。
本当に真里のことよく見てる。
絵馬くんと真里ってなんだかんだお似合いな気がする。
なんて、口が裂けてもいえないが。
「今どこら辺かな?」
「えっとですね、もうすぐ頂上みたいです」
地図を私に見せながら説明してくれる。
方向音痴の私でも理解出来たよ!
一本通行だしね。
「涼香、日焼け止め塗り直しときなよ?」
「う、うん。今日の世緒は面倒見いいね」
「うん。涼香倒れたらやだし」
ニカッと笑う。
お言葉に甘え日焼け止めを塗り直す。
「はい」
日焼け止めを世緒に差し出す。
だって…
「せっかく白い肌なんだから焼けたら勿体無いよ?」
「…あ、りがとう」
ん?どうして日焼け止め貸しただけでそんなに顔赤くなってるんだい。
「いや、その。首かしげて上目使いは反則といいますか…」
上目使いってなんだ?
なぞだ。
「世緒、涼香行くぞ!」
「ほら絵馬くん呼んでるしいこっか」
「うん」