その笑顔反則につき。
青い空・白い雲・美味しい空気…
頂上についた様です。
疲れた。
佳奈美ちゃんすっごく元気有り余っているみたい。
文系女子じゃ無くて登山女子だったみたいで色々詳しかった。
私も歴女だけどね。
それに比べ真里はへとへと、木の木陰で現在進行形で私と休んでる。
桃田くんと佳奈美ちゃんは二人で仲良く探検に出掛けて行ったし。
絵馬くんと世緒は他のクラスメートに捕まってどっか行っちゃったし。
にしても、心地よい風だなぁ。
保冷剤で首の裏を冷やそうかな?
気持ちいいと思う。
「ねぇ、涼香ぁ~」
「なんですか?」
「私、涼香と友達になれて良かったぁ」
「私も」
どうしたんだしみじみして、真里らしくないなぁ。
そんなところも可愛いけど。
…変態か!
「そろそろお昼間とろっか」
「わぁい!涼香のおかず美味しいもんねぇ」
「誰があげるっていったの?」
「くれるくせにぃ」
「はいはい」
ブルーシートの上でお弁当を広げる。
二人で座るには大きすぎる。
6人で座るはずだったんだけど。
「玉子焼きもらぁい」
「あぁ〜!それはだめぇ」
だめだ。
ボケェーとしてたらだめだ。
早く弁当食べないと食われる。
「うわっ、おいしそ!」
え?
私の肩に手を置いてるの誰?
「やさかんと茶原なにしてんのぉ」
あぁ〜。
世緒はともかく絵馬くんKY。
もうちょっと登場はお淑やかにしてくれないと困る。
機嫌悪くなるじゃん。
「他の女子のところに行けぇですよ!」
「結構です。世緒も座ろうぜ」
「座っていい?」
「うん…」
正直このブルーシート広すぎるから丁度いい。
「やった。涼香ちゃん優しい!」
「涼香のばかぁ!!」
絵馬くんと真里も通常運行だし。
「…食べる?」
視線が突き刺さった。
主に私のお弁当に。
手作りだから味の保証はないけど。
「いいの?」
「食べなくていいよ世緒」
「いやいや貰う!!」
ハンバーグをパクリと食べる。
「美味しい。家庭的だよねぇ涼香は」
「あっそ」
「素直じゃないなぁ」
最近気が緩んでたから引き締めないと。
「はいあげる」
彼が手に持っていたのはアメ玉。
いや、ほんと今日はこども扱いされてる。
「…ありがとう」