その笑顔反則につき。
隣の男子
私の名前は広瀬涼香(ヒロセリョウカ)
綾瀬高校一年生。
地味でもなく派手でも無い何処にでもいそうな容姿。
少し折ったスカート。
第一ボタンはあけている。
友達は最低限に。
男女ともに程々な距離関係をたもつ事。
それが私のポリシーです。
✡.°✡.°✡.°✡.°✡.°
自分の席で読書する私。
席が真ん中の後ろなので少し顔をあげれば人間観察ができる。
グループごとに固まり話す姿は中学時代の自分と重なった。
あー、どこまで読んだっけかな?
本に視線を戻すとどこを読んでいたか忘れる始末。
抜けてるのかな私。
「きょーは伝記読んでるの?」
声をかけてきたのは隣の席の八坂世緒(ヤサカセオ)
キラキラ族美男子代表だ。
彼は朝私に話しかけるのを日課にしているし気がしてならない。
伝記は伝記でしかないわ!
何なんだこいつ!!
「智恵子抄」
「へ〜。でもそれって伝記?詩集だよね。俺の話も聞いてよ広瀬ちゃん」
「あー、はい」
「だから、それをやめてって言ってるんだけど!」