その笑顔反則につき。
私は教室に戻り真里を連れて空き教室に入った。
佳奈美ちゃんにはトイレって言ってきたけど…
「教室はなにか聞こえた?」
「多分大丈夫ですよぉ。騒ぎがあったのは確認できましたけどぉ、気を引いてましたからぁずっと」
「さすが」
頼りになるなぁ。
私は録音にしか気が回らなかったから。
騒ぎがあったからかいつもより静かな廊下。
「で、なにがあったんですぅ?」
「まずこれ聞いて」
私は携帯を真里に渡す。
雑音が多くて聞き取り辛いかも。
ても、大事なところは聞こえるはず。
「うわぁ。ゲス以下だねぇ」
いつにも増して毒舌だぁ。
気持ちはわかる。
桃田くんと佳奈美ちゃんを侮辱したんだから!
「私、次の授業サボるから。その次はどうか分かんないけど」
植木さんがどこに居るかなんて検討もつかないけど、佳奈美ちゃんが逆恨みされるのも違うと思うから。
「ラジャーですぅ。でも、自分を傷つけたらだめぇだよ」
「はいはい」
まぁ、サボりスポット片っ端から当たるか。
時間もある事だし。
余裕。
まずは植物園かな。
あそこが一番怪しい。
志野さん達が来ないサボりスポット。
植木って苗字だし植物好きでもおかしくないわけだしさ。
できれば助けてあげたい。
✡.°✡.°✡.°✡.°✡.°
「リョウカはどう思うワケ?」
「…別に」
中学時代私は派手はグループに所属していた。
その子に声をかけようとしたら私の意見を聞かれ、私は彼女達に合わせてその子のことを見捨てた。
その後私はさり気なく一人でいるようになり、他の子達に私は救われた。
自暴自棄になっていた私は新しい親友を手に入れ幸せを手に入れたけど。
その子はその後転校していった。
クラスではいじめがあった見たいで。
「植木さん?」
ぐったりたした状態で寝そべっていた。
「…なに馬鹿にしにきたの」
私は少し距離を取って座った。
微風が心地よい。
「ここ、いい場所だね」
「一人にして!」
「私って植木さんから見たらどう思う?」
少し植木さんから距離をとる。
そして私も寝そべる。
「私はね中学の時は派手なグループにいたの」
植木さんが起き上がったのがわかる。
興味もってくれたのだろうか。
「私達のグループにも植木さん見たいに理不尽にはぶかれた子がいたの」
「…その子はどうなったの」
「クラスでいじめがあった見たいで転校した。私、言いたいこと言わなかった。その子を見捨てた」
少し強めの風が吹いた。
髪が乱れる。
「私、植木さんのこと助けたい」
「意味がわからない!!私、桃田くんに色目使って蘇我さんの悪口言ったのに」
私は起き上がり植木さんのもとに向かう。
「言い方を変える。私の後悔克服のためにも助けられて下さい」
バッと頭を勢い良く下げ、手を前に出す。
悪いことをしたのは私みたい。
「た、すけて」
私の手に植木さんの手が重なる。
「助けます」
二人並んで笑いあった。
私の今の行動が可笑しかったのは自覚している。
助けられて下さいって何様だよ!!
「涼香でいいよ、翡翠」
「うわぁーなにさま!!」