その笑顔反則につき。
放課後選抜リレーの練習が始まったんだけど高校の体育祭ってレベル高いな。
朝のランニングももう少しで終わりだぁ。
終わったらぐっすり寝てやる!
「全員集まったわね」
私達青軍の練習リーダーが指揮を取っている。
各学年の男女一人ずつで、全員で六人。
私のクラスは私と世緒。
「一年にセオがいて、二年にカズネがいてこの俺様がいれば敵無しだな!!」
ガハハっと大口を開けて笑う三年生の選抜の二岩虎先輩。
見ているとナルシス卜に聞こえるけど足は速いらしい。
「トラ先輩、俺そんな速くないですから」
「謙遜するな後輩。そっちの後輩ちゃんも世緒は足速いと思うよな?」
世緒とじゃれあっている虎先輩が多分私に聞いてきた。
私?
「速いんじゃないですか…?」
キョドり気味に先輩に伝え世緒に視線をうつす。
怒ってないよね?
疑問系じゃなくて速いって言った方が良かったかな。
正直、先輩怖い。
人見知りなんですよぉー!
「…そういうことか」
世緒をみて何か呟いたが聞こえないし、なんでか顔が赤くなってた世緒の顔がさらに赤みを帯びてるし。
「えっと、広瀬ちゃんだっけ?これからよろしくな!」
「あ、はい」
早く練習始まんないかな。
怪しげな笑みを浮かべられると反応に困る。
「広瀬さんあんなトラ無視していいからね?」
「あ、はい!」
練習リーダー助けて下さってありがとうございます。
軽く自己紹介をし、体操をしてから一人一人が百メートルのタイムを測った。
「広瀬ちゃん速いね!女子の走者の中で一番だよ!!」
「ありがとうございます」
二年生の女子の先輩がすごい勢いで褒めてくる。
嬉しいけどただでさえ暑くて倒れそうなのに…
「そんなに揺さぶるとその子倒れる」
私の肩を掴んでた先輩の手を掴み興奮する先輩を止めてくれた…何とか先輩。
男子の中で一番足が速いって言う人。
虎先輩がすごい悔しがってた…。
あぁ、室橋和音先輩だ。
「ごめんね、後輩ちゃん!カズネありがとぉ」
ドライな室橋先輩とく、久喜先輩?は仲がいいのかなぁ?
「やっぱり、涼香は足速いんだな」
虎先輩に捕まってた世緒がいつの間にか私の隣にいる。
「全力で走ってなかった人に言われたくないし」
「あー、わかる?ちょっと足痛めててさ」
どういうこと?
怪我してるわけ?
ぽんぽん。
世緒が私の頭を撫でる。
「少しだからね?」
「む、無理したら怒るよ。怪我したら絶好だから!」
「わかってる。約束な」
お互いに体育祭の準備が忙しくて中々顔が見れないから、選抜の練習すごい楽しみなんだよ?
世緒も一緒だといいな。