その笑顔反則につき。
「購買行きましょ〜」
お昼休みに入った瞬間真里に連行されました。
まぁ、購買まで?
いつものメンツと翡翠のメンバー。
目立つこと極まりない。
(お弁当持って来てるのになぁ)
少し後ろを振り返ると翡翠と佳奈美ちゃんが仲良さ気に話してた。
クールな翡翠様がデレてる。
…本人にいったら怒られるだろうなぁ。
いや、流されるかも…どっちもヤダ。
「最近の涼香は植木さんにべったりし過ぎだと思いますぅ」
隣から不機嫌な声が聞こえる。
翡翠にデリケートに接するのに必死で他はほっといてたからなぁ。
正直なところ手が回らなかった。
「あの子はあの子で大丈夫みたいですしぃ」
真里は翡翠と佳奈美ちゃんの方をチラ見してからの発言。
何を根に持っていらっしゃる。
多分違う。
翡翠動向ってより―
「真里のこと忘れたことなんてないんだから。真里が自分から甘えてくるなんて」
「甘えてないもん!」
図星つけたみたいだ。
可愛い奴め。
まさかの翡翠に嫉妬するなんて。
「涼香はモテモテなのな」
今まで男子三人で前を歩いていたのに絵馬くんが真里の隣にいた。
「こっち来んな!!」
「キャラ崩れてんぞー」
なんと言うか…絵馬くんが真里の扱いに馴れてるし。
私の居ない間に何が!!
「須佐さ、涼香が居ない間ずっと絵馬のところに居たから」
今私の左側には世緒がいる。
外の風が世緒の香りを私のところまで運んでくれる。
っ!変態か!!
「俺だってヤキモチ焼いてた」
「え?」
「だって俺、涼香と仲好くなるまで一ヶ月以上かかったのに植木とはすぐ仲良くなるし」
「……」
「冗談。涼香は優しいいい子だよ?ただ、たまには俺も構ってよ」
「世緒は一生関わらないタイプの分類で。遊び半分でからかわれてるのかなって思ってたから」
「今では世緒を見ると目で追っちゃうし、声をかけそうになるんだから!」
「じゃ、次からは声掛けて?約束」
そう言って小指を差し出す彼は無邪気に笑っていた。
「涼ちゃん!体育祭のときこのメンバーでお昼食べよ?」
びっくりした。
いきなり後ろから話しかけてくるんだもん。
まぁ、佳奈美ちゃんと翡翠だから許しちゃうけど。
でも正直。
《タイミング最悪》
「勿論楽しみだな。ね!世緒」
「うん。俺も楽しみだな」
でもまぁ、今が幸せだからいいや。