その笑顔反則につき。
「涼香大丈夫!!」
「落ち着いて真里、キャラキャラ」
「むぅ〜。元気そうでなによりですぅ」
ごめんなさい。
こんな時にキャラがどうとか言ってごめんなさい。
顔が般若。
「世理にぃ!!何勝手に連れ出してんだよ」
ヤバイヤバイ!!
こっちはこっちで世緒がお兄さんに殴りかかりそうだ!
「おっと、間に合ったよな?」
「ナイス久良。そのままゆっくり引き離すぞ」
「おう」
危機一髪。
絵馬くんと桃田くんが世緒を抑えてくれた。
「離せっ!!」
「落ち着けって世緒。お前の玩具はとらねぇーよ…おっかねぇーし」
世理先輩。
最後の一文世理先輩に対してではなく?
「早く全員は入れ。私が怒られるでしょ」
「馬場ちゃんおせーよ」
言われたとおり大人しく全員会議室に入り席に座る。
「お前らは何してたんだぁ?世理、お前今度は何した」
翡翠がすっと手を挙げ今までの経緯をつらつらと述べ、どんどん青ざめていく世理先輩。
「またか。いい加減にしろよ世理」
「だって馬場ちゃんがいい子探せって言うからさぁ」
「毎回言うがよく聞けよ。連れて来る時は相手の了承を得てからにするんだ。絶対に拉致るんじゃない」
「へーい」
馬場先生は私達の方を向くとまず誤った。
事情を話してくれた。
「なんで今年文化祭が無くなったか知ってる人はいるか?」
ブスッとして口を開かなかった世緒が口を開いた。
「家の馬鹿兄貴が文化祭で暴れて他校生を病院送りにしたから」
ぞっとした。
世緒が怒ってるのもそうだけど。
病院送り…?
「そうだ。お陰様でこの高校は県一の進学校が不良高校にまで落ちた」
わぁ。
何それ知らなかった。
この人ガチ目にヤバい人だ。
「今、この高校のPRをしてくれる人を臨時で探してたんだ」
「なんだか楽しそうですね」
「怖い先輩さえいなかったらですがねぇ」
佳奈美ちゃんと真里本気で言ってる?
嘘だろ。
「センセ、俺等がやってあげるよ」
絵馬くんが釣れた。
「ホントか!助かる。後でカメラ渡すからな」
「おう」
一見落着?
だといいな。