その笑顔反則につき。



みんなで夏休みの予定を立てて今日は解散。



真里と一緒に帰る予定だったけれどバックレました。



世緒遅いなぁ。




現在玄関で世緒待ち。





「あれ?涼香なにしてんの?」






野村くんだ。
どうしたって部活か。




少し残念。




「野村くんはソフトテニスまだやってるの?」





「うん。そっか、涼香は部活入らなかったんだっけ?」






「よく知ってるね」






「彼女情報」






「彼女出来たんだ」






「涼香と同じクラスの星静奈(ホシセイナ)ちゃん」






「よかった。…そろそろ行った方がいいんじゃないの」






校門の方をうかがいながら言う。




女の子が誰かを待っているのがわかる。





「やべ。じゃな」





「バイバイ」







照れながら星さんに話しかけてる野村くん。
私との時は照れたことなかったのに。



愛されてんなー星さん。






ガタッ




結構な物音が聞こえて振り返ると無表情の世緒がいた。





どうしてそんなに表情が無いんだ??





「遅いよ〜。早く帰ろ」







「うん」







大人しい世緒って、不気味。
世緒の隣を歩く。






「どうかした?」





「いや、別に」






「公園いこっか」






有無を聞かずそこの公園に引っ張りこむ。
なんか、時々あらわれる機嫌が悪い世緒。






過去を振り返ると手のつけようが無くて泣いた覚えが…






しかもたかが数ヶ月前のことだし。







なんとなくこのままにしておいちゃダメだと思った。





「私、いつまで経っても世緒の扱いに慣れない」






「俺はペットかよ」






「ペットだったら、主人に従順なのにね」






「わかんないぜ。躾がなってないかもよ」 







「大丈夫!だって私が躾けるんだよ?」






「あはは。エリートペットになりそうだな」






「やっと笑った」






他愛ない冗談を言い合える。
話を聞いて笑ってくれる。





いつもの世緒だよね?





「あ、ごめん。また、涼香に心配かけた?」






「ううん。元気になったならよかった」







そろそろ帰ろうと二人して歩き出した。






そろそろ暗くなる頃だし。







「あ、世緒聞いて!」






「ん?」







「うちのクラスの星さんね、野村くんと付き合ってるんだって」





「……。もしかしてさ、玄関で野村と話してたのってそれ?」







「?うん」






「そっか。……よかった」







何がよかったのかわからないけれど一見落着!!






これで夏休み楽しみ!!







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