その笑顔反則につき。
暇だ。
いや、暇ではなかった。
誰か私の代わりに作文を書いてくれ!
はぁ。
誰だよ私に作文書けって言ったの!!
…先生か。
「真里助けて」
「え、無理でしょ〜?」
「けちぃ」
真里はお勉強出来ない子でした。
いや〜困った。
いっそバックレていいかな?
せっかくの優等生キャラが勿体無いなぁ。
「作文書くの得意だよね広瀬ちゃんって」
「それは嫌味ですか世緒」
突然会話に加わってきた世緒は私に話しかけるなりニヤニヤしてきた。
「ねぇ、広瀬ちゃん俺のことなんて言った?」
「世緒……八坂くん」
無意識で下の名前呼び捨てにしてた!
恥ずかし。
顔上げづらいなぁ。
「涼香」
「え」
突然下の名前を呼ばれて顔を上げると上機嫌な八坂くんがいた。
「世緒でいいよ。俺も涼香って呼ぶから」
世緒、自分が今どんな顔してるか分かってる?
それとも無意識か?
ごめん、その笑顔反則。