勝手に古今和歌集
そういえばあたしは人生で初めて告白なんてものをされたんだった、と不意に思い出して、あたしはまごついてしまう。





それを見て、犬飼くんがくふふと笑った。







「やっぱり、夏木さんってシャイで照れ屋だねー。


告白されて動揺するのとか、なんか可愛くてキュンとしちゃうよ」






…………なんとまぁ、犬飼くん、意外にもタラシか!?



タラシなのか!?





あぁ、顔が熱いっ!!






「ねぇ、ミケランジェロもそう思うだろ?」






犬飼くんが猫に頬ずりしながら言う。






「は? み、ミケランジェロ?」





「三毛だからミケランジェロ〜♪」





「あっそ………」






なんだか気が抜けて、あたしはぷっと噴き出した。






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