勝手に古今和歌集
「……………は?」






夏木さんは、これでもかというほど呆然とした表情になった。





そうか、そりゃあ驚くよね。




今までただのクラスメイト、席が近くてときどき会話する、それだけの存在だった俺が、いきなり告白するなんて。




しかも、夢に見るほど強く夏木さんのことを好きだなんて。





驚くのも仕方がない。






夏木さんはしばらくの間、なにも答えずに硬直していた。





なにか考えているらしい。




夏木さんは、女子にしてはあんまり口数が多いほうではない。




黙っていろいろ考えているタイプだ。





そういうところも、控えめで落ち着いていて魅力的だなあ。





………なんて考えていると。







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