勝手に古今和歌集
「あっ、あはは~。


へえ、そんなんだ~あはっ、あははっ」






突然、夏木さんが笑い出した。




それを見て、俺はほっと安堵する。





すぐに断られたりしたらショックだなぁ、って思ってたから。




嬉しくなって、俺は思いの丈をもっとぶつけることにした。







「俺、なんで夏木さんの夢なんか見たんだろうって、すごく不思議に思ったんだけど。


先生の話きいて、納得しちゃった〜」






俺がそう言った瞬間、夏木さんの顔が、笑みを浮かべたまま固まった。





きっと、びっくりして、照れくさくなっちゃったんだな。






そんなことを思っていると、夏木さんはがばっと立ち上がり、





「不思議なこともあるもんだね~」





と言いながら、すたこらさっさと立ち去っていった。





………うーん、照れ屋さんだな。




そういうところもいいなぁ。






< 41 / 93 >

この作品をシェア

pagetop