勝手に古今和歌集
その日以降の夏木さんの行動も、俺に対する想いについての確信を深めるには充分だった。





朝登校してくると、夏木さんは必ず俺に、「おはよ」と声をかけてくれるし。




それなのに、廊下ですれちがったりすると、恥ずかしそうに顔を俯けるし(照れ屋さんだなぁ、ほんとに)。




昨日なんて、授業中に思わずうとうとしてしまっていたら、後ろから俺の椅子を蹴って起こしてくれたし(優しいなぁ)。





そういう夏木さんの全ての行動が嬉しくて、俺はことあるごとに振り向いて話しかけてしまう。



ああ、なんだか最近、学校が楽しくてしかたがない。



今日も夏木さんに会える、今日も夏木さんとお話できる。



幸せだなあ。




でも、夏木さんはいつになったら、俺の告白に返事をくれるんだろう?



まあ、恥ずかしがり屋さんだから、なかなか言い出せないのかな。




もうしばらくしたら、俺から声をかけてみよう。






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