勝手に古今和歌集
「なんだぁ、そうなんだ!!

俺かなりショック受けたのに、なぁんだ俺の勘違いだったかぁ」






俺は嬉しさのあまり頬がゆるんでしまう。




サトシと一緒に楽しそうに帰っていったのは、やっぱり罰ゲームかなにかだったんだ。




そうかぁ、よかったぁ。



ってことは、夏木さんはサトシのことが好きなわけじゃなくて。




そんで………




そこで俺は、はたと動きを止めた。





ものすごーく重大なことに気づいてしまったのだ。





最近、俺と話すとき、いつも気まずそうに落ち着かなげに目を泳がせていた夏木さん。





ってことは…………






「………えっ。


も、もしかして、もしかしてだけど、まさか、まさか、夏木さんも俺のこと好きなの………?」






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