勝手に古今和歌集
「…………はぁっ!?」





夏木さんの素っ頓狂な叫びが、真っ青な空の下に響き渡った。




シャイな夏木さんの照れっぷりが伝染して、俺まで照れくさくなってしまう。




俺はミケランジェロをぎゅうぎゅうと抱きしめ、赤くなっているであろう顔を隠すように頬ずりをした。






「なんだー、そうなの?


俺、勇気だして思い切って告白したのに、夏木さん変な顔して何も言ってくれなかったからさぁ、俺てっきり、やっぱ脈ないのかなぁ、なんてへこんでたのに」






俺が照れ笑いを浮かべながら言うと、なぜか夏木さんがぽかーんと口を開いて、






「………ちょっとちょっと、待ってよ犬飼くん。

あなたがいつ私に告白しました?」






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