勝手に古今和歌集
舟の上の人影が、意表を突かれたような声を上げた。
若い男性の声。
わたしも唖然として言葉を出せずにいると、彼はすっとこちらに手を伸ばしながら、
「なんだ、溺れていたのか?
とりあえず上がれ………」
と言って、わたしの腕をぐっと掴んだ。
力強い腕がわたしをお腹のあたりまで引き揚げる。
そのとき彼が、「うぉっ!?」と目を丸くした。
「…………なっ、お前、な、なんで裸なんだ……?
お、驚いた………」
彼は気まずそうに目を背ける。
月明かりに照らされているその頬は、ほんのりと赤らんでいるように見えた。
「………いつも、こうなの」
小さく答えると、彼は
「か、変わってるな……」
と呟きながら、さらにわたしを引き揚げた。
若い男性の声。
わたしも唖然として言葉を出せずにいると、彼はすっとこちらに手を伸ばしながら、
「なんだ、溺れていたのか?
とりあえず上がれ………」
と言って、わたしの腕をぐっと掴んだ。
力強い腕がわたしをお腹のあたりまで引き揚げる。
そのとき彼が、「うぉっ!?」と目を丸くした。
「…………なっ、お前、な、なんで裸なんだ……?
お、驚いた………」
彼は気まずそうに目を背ける。
月明かりに照らされているその頬は、ほんのりと赤らんでいるように見えた。
「………いつも、こうなの」
小さく答えると、彼は
「か、変わってるな……」
と呟きながら、さらにわたしを引き揚げた。