勝手に古今和歌集
覚悟を決めて、わたしは目を閉じた。
絡みつく網は、どうしたって解けそうにもない。
………これも運命。
諦めるしかないんだわ…………
すると。
「………ぶふっ」
不思議な音が聞こえて、わたしはそろそろと瞼を開いた。
目の前で彼が、大きな手で口許を覆っている。
その隙間から、くくく、と笑いが洩れた。
「…………?」
なぜ笑っているのだろう、わたしが首を傾げていると、彼は「ごめんごめん」と軽く手を挙げて謝ってきた。
「………いや、地曳き網にかかるなんて、間抜けな人魚もいたもんだなと」
絡みつく網は、どうしたって解けそうにもない。
………これも運命。
諦めるしかないんだわ…………
すると。
「………ぶふっ」
不思議な音が聞こえて、わたしはそろそろと瞼を開いた。
目の前で彼が、大きな手で口許を覆っている。
その隙間から、くくく、と笑いが洩れた。
「…………?」
なぜ笑っているのだろう、わたしが首を傾げていると、彼は「ごめんごめん」と軽く手を挙げて謝ってきた。
「………いや、地曳き網にかかるなんて、間抜けな人魚もいたもんだなと」